エコウェル協会（英文名：ECOWEL Association）は、従来の加熱燃料にアセチレンガスを用いた鉄筋のガス圧接工法に替わり、環境にやさしい天然ガスを用いた天然ガス圧接工法の普及により、技術水準の向上に尽力し、鉄筋継手の品質確保、環境負荷低減を通じて、社会に貢献することを目指しています。本協会は工法開発会社、圧接施工会社および学識経験者により2005年7月に設立されました。

　コンクリート構造建物は社会を支える基盤であり、2050年カーボンニュートラルの目標達成に向けたグリーン社会の実現、巨大地震や風水害等による建物被害の軽減に向けて、品質の確保、確実な施工、環境への配慮が望まれます。省エネルギーや地球温暖化問題に関する意識が高まり、低炭素化社会が注目され、環境負荷低減の検討ではライフサイクル全体にわたって総合的に削減することが求められています。建物においても省エネルギー構造にすることはもちろんのこと、建設時においてもCO₂排出量削減が求められています。

　当協会が普及推進する天然ガス圧接工法「エコスピード®工法」は、従来のアセチレンガス圧接に比べ、LCA評価でガス製造から燃焼までのCO₂を60%削減、エネルギー使用量を50%削減することができるほか、廃棄物などの環境負荷を低減することができます。本工法は継手性能に影響する加熱時の鉄筋接合面の酸化を、還元材（PSリング）を用いて防止する新しい技術により、手動操作でも安定した圧接継手品質の確保が可能です。

　また、資源面においても、需要の変化に伴い生産量が減少しているアセチレンガスに対し、クリーンで豊富な資源を有する天然ガスを用いることはガス圧接工法の将来性においても有用と言えます。さらに、「カーボンオフセット圧縮天然ガス」採用でCO₂排出量はゼロとなり、今の時代にマッチした鉄筋圧接工法といえます。

　エコウェル協会が設立されてから20年、エコスピード®工法が開発されてから１５年の月日が経過しました。徐々にではありますが、会員各位のご協力により工法への認知度や期待度は高まりつつあると認識しております。